再検査顛末記
普段と同じように仕事場へ向かい、今日発売で売れ筋商品があったので、至急店頭へ出す処理を行いながら、追加注文する為のFAXを流していたら、会社の本部より電話がありました。
最初は店長宛てだったのですが、店長は本日公休日だという旨を伝えると、「では○○さんを」と私を名指しされました。
事務的な事で何かあるのかと思っていたら、非常に言いにくそうに「実は、先日行った健康診断の胸部レントゲンに白い陰があり、その事について先生から話があるという事なので、できるだけ早いうちに病院を再訪してほしい」といわれました。
寝耳に水とはこのことです。
本部の事務の方は、とにかく早く行ってくれとおっしゃって電話は終わりました。
しかし私にはまだ仕事がありますし、人員も私が抜けることを考慮されている様なシフトなど組まれていません。
でも、非常に気になる。
暫く思案していたら、売場の同僚が事務所へFAXを送るためにやってきたのです。
思い切って事情を話すと・・・
「それは今すぐ行った方がいいですよ。気になって仕事にならないでしょう」
といってくれたのです。
ひとまず、今日やらなければならない事を全て終えて、アルバイトの子に残業出来るか確認して・・・出来る事は全て終えた後、後勤で出勤してきた次長に理由を話し、早退することにしました。
保険証を取りに自宅へ戻り、すぐさま病院へと向かったのです。
病院に着き、事情を話すと話が通っていたのか、担当医師にすぐ見てもらうことが出来ました。
胸部レントゲンの写真を見せられ
医師「ここに白い陰があるでしょう。おそらく大丈夫だとは思うのですが、ちょっと気になるので、胸部CTを録ってもらった方かいいのですが・・・」
私「是非、お願いします!」
医師「ではこの病院では無理なので、ここから十分ほど歩いた先にCTを録ってくれる病院がありますのでそこに予約を入れましょう」
それから、予約の連絡を入れてもらい、本日撮影可能ということで、その病院まで歩いていく事になりました。
その時の時刻は午後二時・・・。
殺人的に暑い中、ひたすら病院目指して歩きます。
その間には、色々不吉なことが頭を過ぎります。
それにこの八月、どうしても外せない旅行に行く予定があり、それにも行く事が出来なくなるかも知れないことが不安を更にかきたてたのです。
歩けども歩けどもなかなかたどり着く事が出来ず、半ば暑さにイライラしてきた頃、やっと目当ての病院を見つけることが出来ました。
受付を済ますと、既にCT撮影予約を入れてあった為に撮影用のガウンに着替えると、すぐに撮影室に呼ばれました。
その時、先生が
「まだお若いのにね」
「・・・。」
それって、どういう事だ?
まだお若いのにこんな病気になってって事?
それとも、ただ単に、若いのに検診に引っかかるなんて、って事??
その言葉を聞いてから、途端に私の中の不安度がぐぐぐっと上がっていったのです。
撮影後、その写真を持って、再び健康診断をした病院へと戻るのですが、その道程の辛かった事・・・。
病院に着き、受付に写真を見せると、間をおかずに医師に名前を呼ばれ、診察室へと入りました。
・・・。
怖い・・・。
ビビリながら
医師の話す事に耳を澄まそうと思っていたら・・・。
開口一番
「問題ないですね」
良かった。
その後若干の説明を受け、やっと開放されました。
売場の方にも迷惑を掛けてしまったので、電話を入れると
「良かったですね。こちらから本部の方へ連絡入れときます」
といって頂けて、本当に心からほっとしました。
普段自分の体に対して、過度な信頼は無いものの重篤な病気に罹るなど、思ってもみない事だったので、今回の事は良い戒めだったのかも知れません。
ただ、この戒めが一体いつまで効くのかは・・・どうなのでしょうか(笑)