職業病

三月になって暖かくなるなかと思っていたら、冷たい雨が昨日、今日と続いています。

自転車通勤はというのは雨が一番辛いです。まだ雪のほうがましかな?なんて思ったりしながら片道10分(えっ、近いのに文句言うなって?・・・その通りです)の距離を朝は爆走して、お店にたどり着きます。出掛けはめちゃくちゃ寒くても、着替える為のロッカーに着くころは汗だくだったりして、ホント自転車は曲者です。

さて、今日のお話は私の職業病について書きたいと思います。


これを職業病・・・といっていいのかは判りませんが、それは書店が楽しい場所では無くなってしまった事なのです。
子供の頃は今ほど娯楽がなく、本屋さんが唯一といっていいぐらいの楽しめる場所でした。
それは大きくなっても変わらず、どこか旅行に行っても、その土地の本屋さんを覗いては、「どんな本が出てるのかなー」とか「これは面白そう」なんて色々な本の表紙を眺めたりするだけで十分楽しかったのでした。

それが、書店に勤める様になってから、そこはもう憩いの娯楽場所では無く、お店に勤めていらっしゃる方々は皆そうなのかも知れませんが、どうしても、その店の品揃えや陳列方法、POPの文章などが気になってしまい、本屋さんを昔のように純粋に楽しむ事が出来なくなってしまったのです。
その上、本が散らばっていたり、乱れていたら、体が勝手に商品整理してしまう(友人に「どうして自分の店じゃないのに整理してるのか」と言われて初めて気が付いたりして・・・病気です)不思議な体質になってしまたりして。

それに、何故か、これは全くの謎なのですが、昔から本屋さんに行くと必ずお腹が痛くなってトイレに行きたくなるという変わった習性がありまして(以前どこかのテレビ番組でそんな特集していたので、もしかしたらこんな不思議な体質は私だけでは無いのかも?)、それが自分の店では全く起こらない(まあ当たり前ですよね。仕事にならなくなりますから)のに、他店へ行くとやっぱりお腹は痛くなるのです。



昔は楽しい場所だったけど、辛くなることもあった。でも今は楽しくなくなった上に辛いことはそのままだなんんて・・・くくーっ、一体どういうことだ!!


他にも本の天地が逆さまだったり、巻数がめちゃめちゃだったり、スリップ*1が抜けていたりしたら、直さずにはいられないなんて事も・・・。
そんなこんなで、気が付いてみたら、あまり他店には行かなくなってしまっていました。



昔から本が好きで、本屋さんに勤めてみたいと思っていて、そしてそれが叶ったと思ったら、実際は本屋さんから遠ざかってしまっている自分がいます。


今でも本は好きで、色々読んだりしていますが、「読みたい本」より「読まねばならない本」が多くなってしまって・・・。
本当に「好き」を仕事にする事は、その好きの在り方を変えてしまう事なのだと思ったりする今日この頃なのです。

*1:本に挟んである売上を知ったり、またそれで注文することが出来る紙