本達の帰る場所

ここ毎日改装の為に鬼のように返品をする毎日ですが、今回は、この返品した本達がどこに行くのかを書きたいと思います。

まず、基本的に本屋さんと版元*1の間には販売会社(取次店といいます)という会社が介在しています。
最近では出版社のネット通販などでちょっと崩れつつありますが、町のほとんどの本屋さんはその取次を通して本を仕入れ、販売しているのです。
取次とは、あまり一般の人には知られていないと思いますが、本の問屋さんの総称です。大手では、トーハン日販等が有名で、そのほか大小併せて約三十数社程があります。ちなみにうちの店の取次はトーハンです。

何故問屋さんを通すかといえば、それは出版業界の特性として、「委託制度」というものがあるからなのです。基本的には書店内にある商品は、買切*2を除くと、すべて借りているものになるのです。ですから、売れ残ったからといって安易に書店で処分する事は出来ないのです。



さて、自社が契約している取次から、新刊や注文した本が入荷した後、書店の店頭に並び、販売努力しても売れずに返品期日がきたり、元々商品自身が店のカラーに合わなかったりした場合に「返品」という事になります。
それぞれの商品には「返品期限」があり、その期限内に返品しないと「逆送」*3という形で店に返ってきます。
大雑把ですが、雑誌の委託期間*4は、週刊誌は45日間、隔週、月2刊、月刊誌は二ヶ月、隔月誌は三ヶ月、季刊誌は四ヶ月です。


書籍(書籍コミックスを含む)は、店と取次店との契約によって、色々な形態があるので何ともいえないのですが、返品期日が無い場合もあります。委託期間がある商品はその期間内に返品処理を行います。ムック、コミックスは基本的には返品期日はありません。
その辺りはまた、注文のところにて詳しくかきます。

各々、雑誌と書籍に分けて返品伝票を起票し、それぞれ違う場所に返品すると、雑誌(主に週刊誌や月刊誌など即時性が高いもの)は裁断、再生紙として再利用され、書籍はそれぞれの版元へ返送されます。
雑誌に付録がついている場合、本誌のみ返品を行い、付録は基本的に店にて廃棄処分となります。
なんだか勿体無いけれど、付録だけで販売してしまうと本誌が売れなくなるので、やむをえないと思うことにしているのですが、「あぁぁ、地球にキビシイ仕事だな〜」とちょっと複雑な気分になります。

その他にも、今はマルチメディアという書籍と枠に収まらない商品なども別返品となります。
私自身の返品作業は棚から本を抜いて、返品棚に置くだけなので、そんなに大変ではないのですが、バイト君達はそれらをパッキンに詰め、伝票を起こし、そして、地下の搬入路*5に降ろしておかなければならないので非常に大変そうです。
今日も、富士山ぐらい積みあがった場所にさらに返品を積んできました。いつなだれが起きてもおかしくない状態です。もしなだれがおきたら事務所中が本の海だよ!

バイト君達のしぶ〜い顔が痛いです。


こんな感じでしょうか?

考えて見ればまだ注文方法を書いていませんでしたよね?何故に先に返品?
・・・近いうちに注文方法をかきますので!!

*1:実際本を作ったり販売している会社。つまり出版社のことです

*2:返品が利かないもの

*3:一度返品伝票を切って取次店に返品したものが新刊や注文品と一緒に再度店に入荷する事。

*4:店に置いておける期間

*5:荷物等を運び込む出入り口の事